加工技術FAQ (VA/VE)
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なぜインコネルやハステロイは加工が難しいのですか?

インコネルやハステロイが加工しにくい理由は、
「高温でも強度・耐食性を保つ」性質=加工の敵だからです。
主に、下記5つの理由が挙げられます。
① 高温でも強度が落ちない → 工具が削れない
インコネルやハステロイは、800~1000℃でも強度を維持できる「超耐熱合金」。
加工中に生じる高温(切削熱)でも、材料が柔らかくならないため、工具の負担が大きくなる。
② 熱伝導率が非常に低い → 工具が焼ける
インコネルやハステロイは熱を逃がしにくい金属(熱伝導率が銅の1/20~1/30)。
切削熱が工具先端に集中してしまい、工具が焼き付きやすく摩耗が早い。
③ 加工硬化しやすい
加工中に材料が局所的に硬くなる(=加工硬化)。
一度削った部分がさらに硬くなり、次回の切削で工具に大ダメージ。
④ 粘りが強く、切りくずが流れにくい
インコネルやハステロイは「靭性(じんせい)」が高く、粘って割れにくい金属。
そのため、切りくずが長く、絡まりやすく、工具に溶着したり、チップブレークがうまくいかない。
⑤ 摩耗しやすい成分を含む
ハステロイは「モリブデン(Mo)」「クロム(Cr)」「ニッケル(Ni)」など、加工に対して硬い合金元素を多く含む。
これらが工具との摩擦を強め、摩耗・欠けが発生しやすい。
弊社では、インコネルやハステロイの加工もしておりますので、一度お問い合わせください。
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