加工技術FAQ (VA/VE)
加工技術FAQ (VA/VE)
チタン(Ti)のワイヤーカット加工が難しいのですがなにかチタンのワイヤーカット加工におけるポイントはありますか?
まずチタン(Ti)のメリットとして、
①軽量性
②比強度が高い
③耐熱性
④耐食性
⑤熱伝導率が低い
⑥高い生体適合性
の6点が主に挙げられます。
優れた点の多い金属のチタン(Ti)ですが、”加工が難しい”といった最大のデメリットがあります。
チタンのワイヤーカット加工における課題は、主に下記の4点です。
・融点の高さや熱伝導率の低さによって、加工性が悪い
・熱がたまりやすく、加工が不安定になる
・切断面に酸化硬化層が発生。ワイヤ材質との金属間化合物が生成される。
・チタンの種類ごとに最適な加工条件が異なる
チタンの切削加工においても、熱伝導率の低さが大きな問題点としてあがりますが、ワイヤーカット加工においても同様です。チタンという材質は融点が1600度以上になるため、熱的な切断加工であるワイヤーカット加工では融点の高さがデメリットとして働きます。また、熱伝導率が低いため、チタン材に熱がたまりやすくなり、これが加工性状の悪化につながり、加工自体が不安定になってしまいます。
またチタンをワイヤーカットによって切断した際は、切断面に酸化硬化層が発生してしまいます。これは、放電加工の際に空気中の酸素と金属が化学反応を起こしてしまうためです。同時に、ワイヤー線の材質とも化学反応を起こすため、ワイヤー材とチタンで金属間化合物が生成されることも知られています。
さらにチタンは、純チタンだけでなく、様々なチタン合金があります。チタン合金では、チタン以外に含まれる材質がそれぞれ異なるため、チタン合金の加工では加工条件が異なります。これもチタンのワイヤーカット加工が困難な理由の1つにあげられます。
これらの問題に対処する方法としては、主に以下の3つがあげられます。
🔵熱が蓄積されにくくなるように、加工条件を調整する
🔵冷却が十分にされるように、休止の時間を多めに設ける
🔵熟練したチタンのワイヤーカット加工技術が必要
まず、チタンに熱がたまってしまうのが大きな問題点のため、チタンに熱が蓄積されないように工夫を凝らす必要があります。具体的には、パルス時間を空けるようにする、冷却時間を長めにとる、加工液の流れを工夫するといった方法があげられます。
その上で、チタンのワイヤーカット加工に関する細かいノウハウが必要となります。
ワイヤー放電加工・ワイヤーカットについて
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チタン(Ti) – 加工可能 材質一覧
サワダ精密の「金属切削加工.com」では、チタン(Ti)等の材質に対応致します。各種金属加工(NC旋盤加工、ねじ転造、センタレス等)を承ります。
種類 | 加工実績 | 弊社材料手配 | |
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チタン(Ti) | Ti-6Al-4V(64チタン) | ○ | ○ |
TB340(純チタン) | ○ | ○ | |
チタン鍛造品 | ○ | ○ |